健康であるために大事なこと「自癒」
「自癒」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。病気を治すことは普通、「治療」といいます。治ることは「治癒」です。「治癒」と「自癒」よく似ていますが、一字の違いでだいぶ意味が異なってきます。「自癒」とは「治癒」のニュアンスとは異なり、自らの力で良くなること。「誰かに治してもらう」のではなく、「自分で治す」ということです。
今回は、健康であるために大事なことである「自癒」について、私自身学んだ点、臨床の場でどのように生かしていくか考えた点をお話させて頂きたいと思います。
健康とは、「病気にかかっておらず元気な(正常な)状態」と定義されています。誰もが健康でありたいという気持ちは多かれ少なかれ持っていると思いますが、なぜ人は病気になるのでしょうか。まず初めに、病気の意味とは、そこから考えていきましょう。
病気とは、「体の全部または一部が、生理状態の悪い変化をおこすこと。発熱・苦痛などをともなうことが多い」と定義されています。また、「病気」とは「気の病」とも言われています。病気とは「気」、つまり気持ち、意識、突き詰めれば心に原因があるということです。心がネガティブに働いたとき、悪い働きをもたらします。胃痛や腰痛なども、心理・社会的なストレスが原因になっていることもあると言われています。つまり、「病気」とは心のネガティブな要素が体にサインを送っていると捉えることも出来ます。言い換えれば、病気はあなた自身へのプレゼントと言っても過言ではないかも知れません。病気になることで、自分を振り返るきっかけにもなります。
「自癒」とは、“自分自身の病は自分自身にしか治せず、自分自身のなかに核としてある心と意識を見つめ直して、自分自身の心と意識で自分自身を良くしていくこと”と言われています。
つまり、健康であるためには、身体的な事象のみならずストレスに対して考え方や見方を変えて自分自身の健康になるという意識、ポジティブな心の方向性が、実は最善の薬になるのではないでしょうか。
参考文献:『自癒力』 柴原 好男